ある出版社が先陣を切って一つの分野の本を出すとします。そしてそれがもし売れた場合、何が起こるのでしょうか?


他の出版社はその分野の本が売れると分かったら、書ける人を探してオファーしてすぐに本にして二番煎じの本を出すのです。


そして、大体それが多くの出版社で同時多発的に起こりますので、書店などに行くと一つの分野の本が複数平積みにされています。


でも、そういう二番煎じの本って結局は流行モノですから、すぐにブームは去って売れ残る。でも、出版社は売り切るというか逃げ切ればOKという形で、利益を確保したらリスク回避のために増刷しません


そういう本って多いです。


Twitterの本が売れたら一斉にTwitterの本。facebookの本が売れたら一斉にfacebookの本。iPhoneの本が売れたら一斉にiPhoneの本。Androidの本が売れたらAndroidの本。あるダイエット法が売れたら、同じような方法のダイエット本。もしドラが売れたら、一斉に似たような本。

これは、紀伊國屋のデータベースを出版社が見ることができるため、売れ筋の本を簡単に調べることができる事が理由です。Amazonランキングを見ても簡単に分かりますが、出版社にとっては紀伊國屋の方が他社の本の詳しいデータが見られます。


こうやって、命の短い同ジャンルの流行本がたくさん並ぶようになった結果、書店の売り場面積を占領し、ロングテール商品のスペースが減り、店全体の売り上げはどんどん落ちてきています。


そして、書店よりもAmazonなどレビューも分かり、ロングテール商品を取り扱うネット販売店に消費者はシフトしていってるのです。どの本屋に行っても同じような本の品揃えですから差別化ができていないわけで当然と言えば当然です。


それに拍車をかけるのが、このような二番煎じ本の乱立。


以前から思っていました。先駆者の本を真似して、タイトルまで似たようなものを作り、あやかろうとする姿があまりにも惨めだと。


家電業界も同じようなものですよね。イオンが流行ればみんなイオン。サイクロン掃除機が流行れば、みんなサイクロン。

恥ずかしくないのでしょうかね。


経営が厳しいから、そういう事は言ってられずとにかくキャッシュが欲しいという出版社や家電メーカーも多いでしょうが、それが結局、業界全体の低迷を招いているわけです。


理念がない経営

弊社のような会社からすると疑問でしょうがありません。


弊社の本も真似されています

例えば、ロングセラーの「採用の教科書」なども良い例です。


それまで、採用に関しての本など売れていませんでした。マニアックすぎて。


しかし、著者のブログやメルマガでの販売力と、体系化され論理的に説明されている内容の良さもあり、2010年1月の発売以来、売れ続けています。


そうなると、他の出版社が真似してきます。


商標登録すらされているタイトルまで真似して、商標権を侵害している出版社と著者もいます(こちらはしっかりと法的処置をさせていただきます)が、他にもどんどんそのジャンルの本が増えてきています。


面白いほどです。


明らかに経験や実績不足と思われる著者が書いている本なども見受けられ、読者の事や日本のために作品を残すという気持ちが感じられない本も増えてきています。


真似される側に立つと腹立たしい気持ちもありますが、業界にたいして哀れな気持ちでなりません。


Kindleにより、個々人が出版できるようになり、出版社の存在意義がどんどん無くなっていくこれからの時代に、理念経営もしないで支持されるのでしょうか。

新聞がなぜどんどん読まれなくなっているのか?どの新聞も一面は同じような報道ばかり。記者クラブの内容や同じネタ元情報ばかり。Yahooニュースで分かる内容ばかりで、とんがってないんですよね。


例え、反日極左新聞であっても、日本のためになっているかどうかは別として、それが理念であればファンはいます。


ファン作りの本や、理念が大事という経営本、創造による成長企業の本などを出している出版社が、実際自社の行動をまったく変えられていない事が残念でなりません。


経営陣は自社が出した本を読んでいないのでしょうか。もしくは読んでも実践する価値は無いと思っているのでしょうか。そうであれば、そのような本を出すことがさらに問題です。


少し、熱くなりすぎましたが、こういう出版業界の裏情報が読者の何かしらの役に立てばと思います。